バインロック(Bánh Lọc)|透明な皮が美しいフエの宝石餅
フエの伝統餅の中で、最も視覚的に美しいのがバインロック(Bánh Lọc)です。透明な皮から透けて見えるオレンジ色のエビと豚肉。まるで宝石のようなこの餅は、フエを訪れる観光客を必ず魅了します。
バインロックとは?透明な皮の秘密
バインロック(Bánh Lọc)は、タピオカ粉で作った透明な皮で、エビと豚肉の餡を包んで蒸した餅です。「Lọc」は「濾す、透き通る」という意味で、その名の通り、透明感のある皮が最大の特徴です。
フエの「バインベオ・ナム・ロック」三種セットの一つとして知られ、バインベオ(Bánh Bèo)、バインナム(Bánh Nậm)と共に注文されることが多いです。
バインロックの種類
バインロック・ゴイ(Bánh Lọc Gói)
バナナの葉で包んだタイプ。葉を開くと、ツルンとした半透明の餅が現れます。持ち運びに便利で、お土産にも人気。
バインロック・チャン(Bánh Lọc Trần)
葉で包まずに皿に盛り付けるタイプ。「Trần」は「裸」という意味。透明な皮が直接見え、視覚的により美しい。店で食べる場合はこちらが多い。
バインロックの材料
皮の材料
- タピオカ粉(Bột năng):メインの材料。透明感と弾力を生む
- 水:粉を溶く
- 塩:少々
- 植物油:少量。生地がくっつくのを防ぐ
餡の材料
- エビ:小さめの殻付きエビ。殻をむいて使用
- 豚バラ肉:細かく刻む
- エシャロット:みじん切り
- 魚醤、砂糖、胡椒:味付け
バインロックの作り方
餡を作る
- エビの殻をむき、背わたを取る
- フライパンに油を熱し、エシャロットを炒める
- 豚肉を加えて炒め、火が通ったらエビを加える
- 魚醤、砂糖、胡椒で味付け
- 火を止めて冷ます
皮を作る
- タピオカ粉に水を少しずつ加え、滑らかな生地を作る
- 塩と油を加えて混ぜる
- 鍋に入れ、弱火で絶えずかき混ぜながら加熱
- 生地が半透明になり、まとまってきたら火を止める
- 少し冷めたら、手で小さく分ける
包んで蒸す
- 皮を薄く伸ばし、餡を中央に置く
- 半月形または三角形に折りたたむ
- バナナの葉に包む(ゴイタイプの場合)
- 蒸し器で15〜20分蒸す
バインロックの正しい食べ方
つけダレ(ヌクチャム)
バインロックはヌクチャム(甘酸っぱい魚醤ダレ)と一緒に食べます。タレの作り方:
- 魚醤:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- 水:大さじ4
- ライム汁:大さじ1
- 刻んだ唐辛子とニンニク:少々
食べ方のコツ
- バナナの葉を開いて餅を取り出す
- スプーンでタレをたっぷりかける
- 一口で食べる(小さいサイズの場合)
- もちもちの皮と、エビ・豚肉の旨みを楽しむ
日本料理との比較
日本で最も近い料理はわらび餅やくず餅でしょう。どちらもツルンとした透明感のある食感が特徴です。ただし、日本のものは甘味、バインロックは塩味という大きな違いがあります。
調理法としては蒸し餃子にも似ています。皮で餡を包んで蒸すという点では共通しています。
フエでおすすめの店
1. バーヴァン(Bà Vần)
住所:2 Nguyễn Bỉnh Khiêm, Huế
営業時間:7:00〜21:00
特徴:バインロックの名店。餡がたっぷりで人気
2. バードー(Bà Đỏ)
住所:8 Nguyễn Bỉnh Khiêm, Huế
特徴:バインベオ、バインナム、バインロックの三種セットがおすすめ
3. ハンメー(Hàng Me)
住所:12 Võ Thị Sáu, Huế
特徴:30年以上の老舗。伝統的な味を守り続けている
日本人へのアドバイス
食感について
バインロックの皮はかなり弾力があり、もちもちしています。日本のういろうや葛餅とも違う、独特の食感です。初めは少し驚くかもしれませんが、噛み応えがあって美味しいですよ。
温度について
蒸したてが一番美味しいですが、冷めても十分楽しめます。お土産として持ち帰る場合は、電子レンジで軽く温め直すと、できたての食感に近づきます。
量について
一人前は通常5〜10個程度。見た目より腹持ちが良いので、他の料理と一緒に食べる場合は少なめに注文するのがおすすめです。
まとめ
バインロックは、フエの餅文化の中でも特に視覚的に美しい一品です。透明な皮から透けて見えるエビのオレンジ色は、まさに「食べる宝石」。もちもちの食感と、エビと豚肉の旨みが口の中で広がります。
フエを訪れたら、ぜひバインベオ、バインナム、バインロックの三種セットを注文して、フエの餅文化を堪能してください。